八ヶ岳風のたより
No.31 2005年 春号 2005.3.3発行

見つけた小さな春

きりりと澄んだ冷たい風がいつのまにかゆるみ、稜線がくっきり見えていた八ヶ岳や南アルプスの山々がふわっと霞むようになってくると、小淵沢にも遅い春がやってきます。雪と葉の落ちた木々や枯草などのモノトーンの世界だったペンション周辺に、淡い黄緑色が顔を覗かせているのを見つけたときのウキウキする気分♪ さあ家を飛び出して散歩に出かけましょう!
小淵沢の春の楽しみの一つはもちろん花。コブシやウメ、モモ、サクラももちろん素敵ですが、足元に咲いている可憐な山野草を見つけたときのうれしさもまた格別です。
花好きのペンション仲間と、「もう○○が咲いた」、「あそこの道端で○○が咲いているのを見た」と情報交換。最近はホームページできれいな写真を公開している所も多くなりました。都会に住んでいるときには全く知らなかった小さな花々の名前を一つ一つ覚えていくのも楽しい。
小淵沢周辺では春先から夏の終わりまで様々な山野草が私たちの眼を楽しませてくれます。県営馬術競技場のクロスカントリーコースの日当たりの良い一角には、アマドコロ、スズランなどが群生しています。アマドコロも小淵沢に来て覚えました。ちょっとスズランに似た花です。ホーストレッキングコースには、樹林の日陰の下草の中にマイズルソウがひっそりと咲いています。葉を二つ広げた姿が鶴が舞うようだというのが名前の由来だそうです。小さな白い花ですが、近づいてよーく見ると本当にかわいい。
小深沢川遊歩道には渓流沿いにヒトリシズカが早い夏を告げるかのように白い花を咲かせます。花穂が一本なのでヒトリシズカというようですが、群生していることが多く、「オオゼイニギヤカ」と改名された、というのは冗談・・・。遊歩道には山ツツジやカラマツやコナラなどの高い樹木に絡みついたフジ、あちこちの樹林の中に入るとホタルブクロやオオバノギボウシ、ツリフネソウが心を和ませてくれます。日当たりの良い草原では、ピンクや紫のフウロソウが風に揺れています。フウロは漢字では風露、茎に羽毛のような刺があり雨に濡れると露になって揺れる様を表しているとのこと。
信玄棒道やその付近の林も山野草の宝庫です。イチヤクソウ、フデリンドウ、サクラソウ、エンレイソウ、イカリソウ、スミレ(この花はほんとうにいっぱい種類があるので覚えるのが大変!)等々、もちろん知らない花もたくさんあって、「これは何と言う花だろう?」「さぁ、何でしょう?」で終わることも数知れず。帰ってから植物図鑑で調べ「あっきっとこれだ!」と名前がわかるとそれがまたうれしい。(すぐ忘れてしまうのですが・・・)
去年見かけたところに今年も咲いているのを見つけたときの喜びもまたひとしおです。毎年忘れずにけなげに咲いている姿を見ると、「えらい!」と声をかけたくなります。いつまでも、咲いていてほしいと願いますが、咲いていられるようにするのは人間の方の責任ですね!
実は「庭先にもいろいろな山野草が咲いている」そんなペンションも多いんですよ。お客様が散歩の途中で見つけた花と、ペンションの庭で再会して「ここにもあったんですね。」と喜ばれることもしばしば。ぜひ見落とさないようにしてくださいね。
道端の木々の下には、オダマキの花が風に揺れています。紫色も白もどちらも素敵です。シモツケソウも長く私たちを楽しませてくれます。ピンクが多いですが白もきれい。
チゴユリ、ササバギンランママコナ、ユキノシタ、ニリンソウ・・・、まだまだ「あれもこれも書いてないじゃない!」と言う声が聞こえてきそうです。
少し足をのばせば、清里や観音平、入笠山周辺等でも多くの花々を、時期をちょっとずらして楽しむことができます。ぜひ小淵沢界隈にいらしてお気に入りの山野草を見つけませんか! 

山野草のスポット観音平そして吐竜の滝

南八ヶ岳の登山口として知られる観音平周辺に育つ山野草はその半分位が高山植物です。散策すると尾根から渡ってくる八ヶ岳おろしに揺れる可憐な花々に出会うことができます。冬期閉鎖の観音平への林道は5月の連休あたりからゲートが開きます。まだ残雪に埋もれた林の中から一斉に芽吹き、色とりどりの花々が顔を出します。アヤメ、フデリンドウ、アザミ、シモツケソウ、キスゲ、マツムシソウ、ワレモコウ等の花々が季節を通して森を彩っています。
小海線清里付近にあるいくつかの滝のなかのひとつ吐竜の滝に向かう遊歩道は歩きやすく、静かな林の中ひっそりと咲く山野草に数多く出会えるお薦めのコースです。     
東沢遊歩道の看板の立つ砂防用の石垣を登って笹におおわれたコースに入って10分、吐竜の滝の前にでます。入り口からちょっとで見事な滝を見ることが出来、幾筋もの滝の音は東沢の渓谷に深く響きます。 

桃の里ウォーキング

楽しい”お花見弁当”付きです
4月10日(日) 参加費1200円(お弁当・保険料含)
山梨の桃と言えば一宮と思っていらっしゃる方が多いかと思いますが、韮崎市の北部、新府でも美味しい桃を作っています。新府桃源郷は、山梨県で桃の開花が遅いエリアとして有名です。このところ開花が年々早まっていますが、例年なら4月中旬には、遅い春が訪れ、辺り一面がピンク色に染まります。満開の時に行かれた方は皆さん、感激されます。残雪の南アルプスをバックに、桃の花と菜の花、桃の花とダイコンソウ、桃の花と水仙、思わずカメラのレンズを向けたくなる景色の中をウォーキング。桃より開花が早い桜ですが散らずに残っていることもあります。桜もコブシも道端の名前の分からない花も咲いて、花の競演。
今年はこのイベントに、素材を大切にしてお弁当を作っているマミーズキッチンさんに「お花見弁当」をお願いしました。普段は入れない桃畑も農家の皆さんのご厚意で入ることが出来ます。満開の桃畑の中で「お花見弁当」を友人やご家族と味わいに来ませんか。
毎年この企画を楽しみにして参加される方もいらっしゃいます。人気のある桃の里ウォークですが花の満開時期が難しく毎年開催日を悩みます。一番良いときにご案内出来ると良いのですがこればかりは神様だけしか分かりません。
コースの前半は、ソルダム畑の中を歩きます。ソルダムは白、桃はピンク、紅白とは春から縁起が良いではありませんか?皆様のお越しを心よりお待ちしております。
※お弁当の写真は当日のメニューとは異なっています。

この人にインタビュー

パイプオルガンと共に 草刈 徹夫・義子夫妻
パイプオルガン雛祭りの頃になると日差しが長くなり、小淵沢にも春がやってきます。この季節になるといつも、引っ越しの最中大寒波で大雪だったことを思い出します。
移転して早くも今年で21年。以来、パイプオルガンを40台程、日本全国の教会や学校に制作してきました。今では、引っ越してきた当時、幼かった2人の娘達も巣立ってしまい、家が広く感じられる様になりました。
身近な例として小淵沢町内にはフィリア美術館。そして長坂町清春芸術村の小さな礼拝堂にもパイプオルガンが設置されています。
そもそも小淵沢に来たのは環境の良い広い場所を求めてでした。以前には、東京池袋で制作を小規模に始めていたけれど、それが手狭になり、ある時一念発起して、東京から脱出する事にしました。候補地を色々模索し、辿り着いたのがこの地です。
現在中軽井沢の修道院にパイプオルガンを設置する為最終工程で追われる日々を過ごしています。 

資料館で機織り教室

小淵沢はかつて養蚕が行われていて今もあちこちにその名残りの桑畑が見られます。
以前農家では出荷できないはねられた繭を紡いで機を織っていましたが近年はほとんど使われることもなく埃をかぶっていました。そこで町ではその機織機を資料館に集めて機織教室を始めました。当初は5、6人の会員でしたが年々増え今では17台の織り機は順番待ちの状態です。年代も様々で地元の方から最近小淵沢に移り住んだ方も多く昼食時間やお茶の時間にはお手製の漬物や料理に話が集まり情報交換の場にもなっています。自分で糸を染めるところから手がける人、古い着物を裂いて裂き織りをする人、ジーンズやゆかたの生地を素材にする人等さまざまな模様を織り出していて部屋中に活気があふれています。教えてくださる清水先生は各人それぞれの希望にあった織り方や糸の紡ぎ方など丁寧に指導してくださるので入会して一年位でも素敵な作品を作ることが出来ます。今、会ではファッションショーを開く計画もあるようです。静かに、でも力強く伝承文化を紡ぎだしているのです。

イベントガイド

月下草舎ライブ
●中本マリ・バースディナイト
  中本マリ(ヴォーカル)・山本 剛(ピアノ)・香川裕史(ベース)・村上 寛(ドラムス)
  3月26日(土) 7:00PM 5000円
●スーパーデュオ
 井上淑彦(テナー・ソプラノサックス)・田中信正(ピアノ)
  5月14日(土) 7:00PM 4000円 
●「センス・オブ・ワンダー」
  上遠恵子(講演、レイチェル・カーソン日本協会会長)
  楊静ヤン・ジン(中国琵琶)
  5月28日(土) 7:00PM 3000円
●竹内直クァルテット
  竹内 直(テナー・ソプラノサックス、フルート他)・後藤 浩二(ピアノ)
  島田 剛(ベース)・江藤良人(ドラムス)
  6月12日(日) 7:00PM 4000円 
お問い合わせ 月下草舎
 
おつきゆきえさん朗読会
 3月20日(日)午前10時30分 「大人のための絵本の会」 P風路
 3月20日(日)午後7時30分 「宮沢賢治朗読」 Pたん歩歩
 4月12日(火)午後7時30分 「宮沢賢治朗読」 Pたん歩歩
 4月13日(水)午前10時30分 「宮沢賢治朗読」 P風路 
 各回1500円(お茶付)
お問い合わせ
 P.たん歩゜歩゜(0551-36-4343)またはP.風路(0551-36-3826)

編集後記

山野草談議をしながら、木々が切られ大好きな花が見られなくなった寂しさを編集委員が語っていました。自然を求めて小淵沢に移り住んだ私達。自然と上手に共生し残していきたいものだと思います。とるのは写真と相撲だけ!?(風)

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