No.43 2008年 春号 2008.03.10発行

辰雄も夢二も愛した、富士見高原を行く

高森観音堂小淵沢の西隣は長野県富士見町です。この町は小淵沢と同様、山岳展望が素晴らしく自然の宝庫であると同時に、縄文時代の遺跡が多く発掘されていたり多くの文人たちに愛されてきたりという歴史と文化の町でもあります。今回は富士見町の持ついろいろな魅力を紹介したいと思います。
まずは桜です。JR中央線・小淵沢駅の隣、信濃境駅を起点として2時間くらいで歩ける古木しだれ桜散策コースというのを富士見町発行の観光情報紙で紹介しています。
桜の季節は短くちょうど見頃に歩けるのは難しいかもしれませんが、ぜひ幸運に期待して歩いてみたいものです。田端・葛窪・高森観音堂・高森としだれ桜をめぐる8キロのコース。途中残雪の八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳を背景にしだれ桜をカメラに納められるビューポイントもあります。また町名の通り富士山の姿も望める場所も。境小学校の桜並木もまたなつかしい風情です。
桜めぐりは信濃境駅の北側中心でしたが、南に1キロほど下がるとそこには井戸尻遺跡があります。八ヶ岳南麓には多くの遺跡が集中しています。その理由として「生活の糧となる動植物が豊富だったから」「石器の材料となる黒曜石が近くで多くスイレン産出したから」などがあげられているそうです。さらに縄文人は狩猟採集だけでなく、農耕も行ったという説も唱えられるようになってきたとのこと。そんな縄文時代の人々の生活に思いを馳せることができる遺跡と考古館があるのが、この井戸尻遺跡です。1966年に国の史跡に指定され、住居を復元するなど整備されてきました。また史跡をかこむように作られた植栽田にはスイレン・カキツバタ・ハスなどが咲いて、訪問者を楽しませてくれます。7月ごろには大賀ハスとして知られる古代ハスも見事な花を咲かせるので、一度はご覧になっていただきたいと思います。ここには6月のポレポレウォークで行ってみようと計画しています。
さて文化の町でもある富士見町。アララギ派の歌人たちは富士見でしばしば歌会を開いたそうです。昨年11月1日のポレポレウォークのお弁当の場所、富士見公園には伊藤左千夫・島木赤彦・斉藤茂吉・森川汀川の歌碑があり、旧甲州街道沿いの原の茶屋では彼らが歌会を開いたいろりのある部屋が残されていました。(ここは非公開です)また信濃境駅の次、富士見駅から徒歩15分ほどの所にある富士見高原病院も文学にゆかりが深い場所です。まだ「富士見高原療養所」という名前だったとき、医師であるとともに小説家・俳人でもあった初代所長の正木俊二先生が文人と交流が広かったということで、文学者や芸術家の患者が少なくなかったそうです。堀辰雄の「風たちぬ」、久米正雄の「月よりの使者」もこの病院での日々をもとに書かれたそうです。やはり高原病院に入院していた竹久夢二を偲ぶ展示もあります。ここにただ一棟残っている旧病棟の2階は資料館として公開されていますので、文人と富士見町との係わりをたどってみるのも興味深いと思います。
もう一ヶ所、知る人ぞ知る高森草庵という不思議な場所。故押田茂人という神父様が40年ほど前にこの地に開かれたそうです。普段は自給自足を原則として数人のシスターが共同生活していらっしゃいます。萱葺きの家が4、5軒点在していて、日本昔話にでてくるようななつかしい光景です。寒さ厳しい冬でも暖房は薪ストーブが一つだけ。電気もない生活とのこと。「清貧」ということばが浮かんできます。庭を散策させていただいて驚くのはキリストさまを抱くお釈迦様の像! 平和への願いが込められているのでしょう。ここは世界各国の宗教家が訪れる場所なのだそうです。
今まで紹介してきた場所のいくつかは小淵沢から歩いて行けるくらいの距離です。車ならわずか5分ほど。その他にもすずらんをはじめ多くの花で知られる入笠山や、色鮮やかなゆり園が好評な富士見高原もはずせません。自然も歴史も文化もまだまだ奥が深いお隣の富士見町、何度でも訪ねてみたくなります。

八ヶ岳南麓を回る路線バスのご案内

八ヶ岳南麓でお客様に使っていただけそうなバスを取り上げてみました。ただし、本数が少ないのでバスの運行期間、時間などホームページがありますので、よくご確認の上ご利用ください。
★八ヶ岳高原リゾートバスの利用案内
  平成20年4月5日〜未定
祝祭日のみ運行。冬季運休
風林火山館・平山郁夫シルクロード美術館・三分一湧水館・身曾伎神社などへいけます。
ホームページ
★市民バス小淵沢・長坂線
小淵沢支所(駅から3分)から大滝神社・清春芸術村へ行けます。
ホームページ
★清里ピクニックバス(清里観光振興会)
4月21日〜11月25日まで運行
南回り・北回り、平日は両方のコースを1本で回る。
南回りコースは八ヶ岳大橋・丘の公園・牧場通りなど
北回りコースは清泉寮・東沢大橋・まきば公園・美し森・清里ハイランドパークなど
お問い合わせ/清里バスセンター:0551-48-2000

この人にインタビュー

八ヶ岳で料理教室・正食を学ぶ 大島裕子先生
食の安全、安心に関心が集まっている昨今、北杜市で正食の料理教室を主宰している八ケ岳アカデミーの大島先生にお話を伺ってきました。
正食とは字のごとく正しい食事、食生活、食習慣を示しマクロビオテック、穀菜食、自然食とも呼ばれています。
正食にはその土地で出来たその季節のものを食べる「身土不二の原則」(輸送費や時間がかからないのでエコにもつながる)やその物全体を食べる、例えば穀物は精白しない、野菜は皮をむかず、あく抜きしない「一物全体の原則」などがあります。(捨てるところが少ないのでゴミ減量に)すると無農薬や有機栽培、無添加の食品を使うことに繋がります。更に食物の陰陽の調和をはかり小食、小飲を心がけ良く噛んでいただくとなれば健康に良し、環境に良しと良いこと尽くめですが決して目新しいことではないのです。昔ながらの日本食は先人の知恵が凝縮されていて正にお手本です。伺うことすべてに、なるほどと納得できることばかりでした。
興味深いのは人間の歯の数の割合です。野菜を噛み切る門歯2、穀物をすりつぶす臼歯が5に対して肉や魚を噛み切る犬歯は1しかないのです。
ですからその歯の割合に応じて穀物と野菜を7、肉や魚を1の割合で食べるのが理にかなっているそうです。
先生は西洋医学では見放されるほどの大病をなさったのですが食事で健康になれることを知り食生活の大切さに気づいたとの事でした。「食べ物が人間を作っているのよ」という言葉がとても重く響きました。人間の血液は3ヵ月で入れ替わるので3ヵ月続けてみると体調が変わるのを実感するそうです。髄まで変わるには3年かかるとの事、食事の大切さを痛感しました。

電気を消してスローな夜を

100万人のキャンドルナイト(ホームページ)というイベントをご存知でしょうか?夏至と冬至の夜8時から10時まで電気を消して、キャンドルの灯りで過ごしましょうというものです。この趣旨に賛同するペンションさんたちと八ヶ岳でもキャンドルナイトの輪を広げていこうと企画して、今度の夏至で3回目になります。これまでの2回は個々のペンションで、「星を見る」「歌声喫茶」「ホタル見物」「静かに過ごす」等々と取り組んできました。それぞれ小さなキャンドルの灯りの愛おしさ、なつかしさを感じるような素敵なイベントになったようです。さらに今回はみんなで何かやれたらいいね、と話し合っています。今出ている案としては「廃油を利用してキャンドルを作る体験はどうだろう」おみやげで持って帰ってもらう他、そのキャンドルをつけた中で、お話会を開いてお話を聞いたり、歌を歌ったりというイベントができたらそれも楽しいのでは?という案も。これからもっと具体的な形になったら、それぞれのペンションからお知らせが届くと思います。みんなでエネルギーのこと、地球のことなどちょっと考えながら、楽しんで取り組めたらいいなぁと思っています。
一緒に電気を消してスローな夜を過ごしませんか!

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ポレポレ桃の里ウォーク 4月13日(日) 参加費 1,200円(お花見弁当付き)

月下草舎ライブ
 ・中本マリ・バースデイライヴ&大石学トリオ。ジャズのファーストレデイが贈るヴォーカル・ナイト。
  3月22日(土) 開演 19:00/ 5000円

 ・バロックコンサート。『デュオリュタン』朝倉未来良(フラウス・トラヴェルソ)木村夫美(チェンバロ)。280年前の象牙のフルートとチェンバロの語らいを。
  4月20日(日) 開演 14:00/ 2000円
 月下草舎(0551-36-4801)

おつきゆきえさん朗読会
 ・宮沢賢治朗読  5月17日(土) 19:30より  たん歩゚歩゚(36-4343)
 ・おとなのための絵本の会  5月18日(日) 10:30より 風 路(36-3826)
  両日とも、1500円(お茶付き)

シリーズ「厨房から」は前号で終わりました。今号から新シリーズ、オーナーの「とっておきの話」を始めます。小淵沢界隈のとっておきのお店や場所やイベント、ペンションのとっておきの料理やサービス、オーナー自身のとっておきの趣味や体験談をご紹介します。

とっておきの話 第1回 ペンション わ!

若き達二 北海道を行く
30代の頃は市場で使用されていない商品を新規に使用してもらう市場開拓業務である。北海道内の新規市場開拓は特に思い出が深い。仕事の合い間の楽しい事だけが脳裏に残っている。函館ではたまたま取引先の居間で宿泊。早朝「朝いか」はいかが?と威勢の良いおばさんの声に目が覚め「いか」を買う。「そうめんいか」に調理し、「土しょうが」を添え醤油をかけ食べる。なんと美味しい事。今日一日の活力を与えてくれる。一日の仕事が終わり、世界三大夜景と言われている函館へドライブ。眼下にH状に広がる夜景は素晴らしい。流石一見に値する。翌日函館本線で札幌へ向かう途中、長万部(オシャマンベ)駅のホームでは、「毛がに」「毛がに」と言いながら車窓際まで売りに来る。新聞紙に包まれた「毛がに」を頬張る。茹で立ての「かに」は流石にうまい。列車での移動ならではの幸せである。その味が忘れられない。冬の北海道は積雪もかなりあり寒いが、小淵沢の八ヶ岳颪(おろし)。風雪時の寒さ程ではない。たまたま自社支店の二階で宿泊した時、ルンペンストーブが赤々と燃えている。非常に暖かい。むしろ暑い。ビールがとてもうまい。ルンペンストーブとは、もう一つのストーブ本体に「石炭」又は「オガ炭」等の燃料を入れ、遊ばせて置くからだそうだ。又旭川から宗谷本線に乗り稚内へ行く途中、音威子府(オトネップ)辺りで牛が線路を横断。列車急停車。なんとものどかな光景である。着いた稚内は雨が降っている。初めて来た街は心細く淋しい。とりあえず水産試験場へ飛び込み地域の状況を聞いて水産加工会社へ、とぼとぼと歩いて行く。オホーツク海岸の砂浜で一人の女性が腰に藁縄を巻いて、拾った昆布を縄にぶらさげて集めている。近くにはコンクリートの兵舎が並ぶ米軍基地。向かいは古びた木造の自衛隊基地が印象的である。バスは無く、尚歩いて目的の会社へ行く途中、野寒府(ノシャップ)岬があった。ただ茫然とオホーツク海を眺める小生。仕事とは言え、非常に侘しいになる。思い出はつきない若き頃の企業戦士。仕事は厳しかったが古き良き時代であった。現在、新天地を求めて来た小淵沢でペンションライフを楽しんでいるこの頃です。
ペンション わ!!のホームページ

こぶち包包(PaoPao)

小淵沢インターを出てすぐのところに「こぶち包包(ぱおぱお)」がオープンしました。ぎょうざもしゅうまいも包んでぱおぱお。オーナーの豊さんはお兄さんの中華料理店で修業を積んだ確かな腕前。餃子ランチ、焼売ランチ、週替りランチ、チャーハンランチは大評判。広々とした店内の空間を利用して豊さん、悦子さんの手作り作品が並びます。
ランチタイムは11時半から15時。宅配もします。
0551(36)5774

編集後記

二月の雪景色は小淵沢高原の美しい姿を演出しています。編集員の本来の姿は雑談大好き人間です。そしてその雑談から素材を見つけ紙面を演出します。砂利道から宝石を見つけ出す作業の様に素材を探す事は産みの苦しみに近い。皆さんの情報、取り上げてほしい記事があれば協力をおねがいいたします。(月)

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