No.58 2011 冬

冬を彩る里山風景

八反歩堰
今回冬のビューポイントの一つとしてご紹介するのは、南アルプスを正面に、のどかな山里の風景が広がる八反歩堰(はったんぶせき)沿いの遊歩道です。堰とは用水路の事。大滝湧水を水源とする用水路添いの、ゆっくり歩いても十五分程の散歩道です。
遊歩道を歩き始めると眼下には水田、所々に小高く盛り上がった林や民家、そしてその向こうには南アルプスの山々が連なっています。
のどかです!本当にのどかです。昔話の中に出てきそうな風景です。私が歩いたのはポカポカと暖かい秋の昼下がり。そののどかさに本当に時間がゆっくりと流れているのではないかと勘違いするほどです。今回はここを冬のビューポイントとしてご紹介するのですが、その田んぼが雪原となり、南アルプスの山々が雪化粧をした時の事を思うと絶景と呼ぶにふさわしいものである事は想像に難くありません。そう、実は私、この機会に初めてペンションのお仲間にこちらを教えていただいて、冬は訪れた事すらないのです。要するに簡単に想像出来てしまう程の素敵な風景という事です。
そしてこの風景を作り出している要素の一つに「水田」があるという事に気付きます。 春先には水が張られ残雪の山々が映る水田。夏には青々とした稲が風になびく水田。秋には黄金色に輝く水田。そして冬には雪原となるのです。 今日本はTPPやらなにやらで色々と揉めていますが、これによって水田が無くなり荒れ果て、この景色が失われてしまうのは余りにも寂しい気がします。色々な考え方があるとは思いますが、大切に守っていきたい風景がある事も事実なんだと思います。
八反歩堰の入口付近に車を3台ほど停める事が出来る駐車場もありますので、気軽にお散歩気分で歩けるコースです。

大曲(おおまがり)
小淵沢を始点とする小海線に乗ると、なぜか次の甲斐小泉駅と反対方向に進みます。初めて乗車したとき、南アルプスが見えていたはずの窓に八ヶ岳の姿を見て、頭の中にクエスチョンマークが浮かんだ、という人もいらっしゃるのではないでしょうか?(えっ、私だけ?)
そう、小海線はまず反対方向に進んでからぐるりと大きくUターンするのです。そこを「大曲」と呼んでいます。その大きく曲がる内側には田園風景が広がっていて、そこが知る人ぞ知る撮影ポイントなのです。特に鉄道ファンならきっと垂涎の場所!? 特別の電車が走るときには土手に多くの鉄ちゃん・鉄子さんたちが三脚を並べてその瞬間を待っています。
甲斐駒ケ岳をはじめとする南アルプスの峰々をバックに土手の上を走る小海線。前景には田んぼという抜群のロケーション。小海線がぐるりと曲がると今度は八ヶ岳をバックにした小海線を撮ることができるのです。
ここはウォーキングコースとして通る場合もありますが、車で行く時はちょっとわかりづらいので、ペンションのオーナーに尋ねてくださいね。

ドライブ・散歩で
小淵沢から車で10分ほど、レインボーラインを東に走ると富谷という信号があります。それまで林の中だったのが急に視界が開け、四方の山々が眼に飛び込んできます。何年この地に住んでいても、この心躍る瞬間が色褪せることはありません。正面に奥秩父の金峰山、左に八ヶ岳、右手前方に茅ヶ岳、右に富士山、右手後方に南アルプス。この地の農を守ろうとがんばっている「あおぞら農園」の土地も広がっています。初日の出を見るために1月1日の早朝、車が並ぶ名所でもあります。
この他、其々のペンションからちょっと散歩に出ただけでも、美しい山々を見られる場所があちこちにあるのが小淵沢!お気に入りのポイントをぜひ見つけてください♪ 

蔵開き

「七賢蔵開き」としておなじみの山梨銘醸の酒蔵開放。毎年楽しみにしている方も多いと思います。このときだけしか買えない「蔵出し」というお酒を購入したり、たくさんの種類の利き酒(有料)、酒蔵見学、無料で振る舞われる甘酒等々楽しみがたくさん! 近年、特設テント内でおでんや豚の角煮・おにぎり等が販売されるようになり大好評。毎年地元のクラフト作家たちの展示会も同時に開催され、それも楽しみです。
2月11日(土)〜19日(日)10時〜15時30分
0551-35-2236 ホームページ

この人にインタビュー

ヴラダン・コチさんと歩んだ11年 山口 豪・知代子さん
「祈りのチェリスト」ヴラダン・コチさんのコンサートを毎年のように開催している山口さんご夫妻にお話を伺いました。コチさんとの出会いは「小淵沢のレストランで出会った女性ピアニストから、『神戸で被災したときにコチさんとの交流で癒された。お礼に日本に呼びたい』と相談され」「絵本の原画展等はやっていたが音楽はやったことがない。自分のできるのは幼稚園とか病院、そういうところのコンサートで良ければ」と引き受けたとのこと。2000年の小淵沢音楽祭での演奏が、八ヶ岳とコチさんの最初の出会いだったそうです。その後、富士見高原病院や聖路加、諏訪中央病院等チャリティコンサートも多数開催。
コチさんは良心的兵役拒否をして投獄され、多くの人の尽力で解放された経験があり、何かの役に立ちたいという思いを強く持っていてその精神性にも惹かれたそうです。山口さんも同様で、「難民を助ける会」や難病の子供たちのための「ファミリーハウス」イラク支援の「JCF」等のためにやりたい、と相談すると、NOと言われたことがないとのこと。昨年は「広島・長崎でファミリー4人による平和の祈りコンサートを」という山口さんの長年の夢を実現。公式のコンサート以外にも被爆者の方の施設や原爆ドーム前の川岸で鎮魂の演奏を行ったりしたそうです。
「東日本大震災の後、東北に演奏を届けられないかと相談すると『グッドアイデア!』の返事」「様々な困難もありましたが岩手・宮城・福島の計11カ所で演奏することができました。どこも印象的でしたが、特に仮設住宅の畳の部屋での演奏や、南相馬と飯舘で体験したことは言葉になりません。福島ではずっと蓋をしていた不安・不満・怒り・悲しみがあふれ出てくるように涙・涙でした」「自分たちは何の組織もなく、ただやりたいという気持ちだけで多くの人に支えられここまで来ました。コンサート回数は100回以上になります」と語る山口さん。「コチさんにとって日本では小淵沢が原点」そして「11年間、彼と音楽を一緒に創り上げてきたように思う」というご夫妻のことばが心に残りました。

100万人のキャンドルナイト X'masパーティ

振興会がこの運動に参加して夏至・冬至に行われて、4年目を迎える「100万人のキャンドルナイト」の意義、及び位置付けの変化を感じます。地球温暖化問題として警鐘を鳴らしてきた事から、さらにエネルギー問題としての広がりを捉えて、運動の重要性を増したと思われます。同時に、私たちの今までの生き方への根本的な問い掛けが大きなテーマとして突き付けられたと感じます。今回も恒例の歌声喫茶、出し物他、数種の各ペンションの手作りクリスマスケーキを用意いたします。
●12月18日(日)開演19時30分。場所P月下草舎。入場料1000円(ケーキ&お茶付)

雪を楽しむスノーシュー

スノーシューは西洋かんじきとも言い、とても歩きやすく、誰でも直ぐに慣れ、2回目にはもうエキスパートにもなれる楽しく、魅力的な雪遊びの道具です。スノーシューで雪山を歩く楽しみは沢山あります。まずは銀世界の景色を楽しみます。同じフィールドでも霧氷や樹氷ができていたり、キラキラ陽に輝く雨氷もそれはそれは綺麗です。耳を澄ませば野鳥や鹿の声が林の中からしてきたり、風に揺れる樹木のきしみなども普段聞くことのないものでしょう。運がよければ鹿やカモシカ、リスなどにご対面できるかも知れませんし、野生動物が雪の上に残した痕跡から、動物たちの行動を想像するのも面白いものです。雪の状態によっては下りは尻滑りしてみるのも楽しいですね。童心に返って笑みがこぼれます。
八ヶ岳もまだ雪が積もったり、融けたりを繰り返し根雪になるのはいつでしょう。冬らしい冬を首を長くして待っています。2月5日(日)にはスノーシューイベントを開催予定です。詳細は各ペンションにお問い合わせください。

とっておきの話 第14回 B&B 碧い空

ホームページ
百名山まで、あと一歩
33年勤めた情報機器メーカーを早期退職して、ここ小淵沢でB&B碧い空をはじめて、いつの間にか3回目の冬を迎えます。この地を選んだ理由は、八ヶ岳はもちろん北、南、中央アルプス、奥秩父など日本の主要な山々の登山口に1時間以内で行くことができる点と天気さえよければ日本一、二位の富士山、北岳を同時に眺められる点でした。実際、こちらに来て3シーズン、現在進行中の百名山残り5座中の間の岳、常念岳、光岳、甲武信岳をここから日帰りで登ることができました。さすがに、間の岳は車両入山規制の関係で登山口から約11時間以内の往復が必要で厳しかったです。百名山残りは甲斐駒ケ岳ですが、駒ケ岳神社から標高差2300mの黒戸尾根を日帰りできる自信がなくなる直前に登りたいと考えています。その時期を1日でも遅らせるように、時間を見つけてはB&B周辺をランニングしています。お気に入りのコースは、比較的交通量とアップダウンも少ない泉ラインで大泉パノラマ温泉往復約16q、時間のない時は途中で引き返す10qです。モチベーション維持に今年ももう間もなくですがホノルルマラソンに参加するようにしています。今年で9回目ですが、完全にはまっています。これから、南アルプスの山々は雪化粧して、1年で一番美しくなります。特に小淵沢から一番美しく荘厳に観える愛する甲斐駒ケ岳を日々眺めるのがいつもの冬の楽しみです。

編集後記

3月11日以降今年の時間の進みの早い事。津波、台風など自然災害を前にして人間がいかに無力であるかという事を知らしめる年でした。その上に人間の英知の結晶であるはずの原子力産業の無残な解体による目に見えない恐怖との戦いを強いられている生活。来年は絶対に良い年に!(月)

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